既に記事にした駐輪場や食堂、自販機についての調査中、とある冊子が目に入った。
見た目から伝わってくる優しさに惹かれ、気づけば手に取っていた。
どうやら食物アレルギーに配慮したおやつのレシピ本のようだ。発行元を確認すると、食健康学科の学生たちらしい。
こうした経緯から、今目の前に冊子がある。
つい手に取ってしまった理由の一つは、私自身かつて食物アレルギーがあったからだ。
記憶もない0歳の頃なので、親からきいた話だ。私は卵と牛乳の食物アレルギーを持っていた。母乳を与える関係上、母はケーキやプリンが食べられず大変だったそうだ。
冊子の発行元
冊子を開くと発行元である「おやつ工房 PAKKUN」の説明があった。長野県立大学の健康発達学部食健康学科に属する学生たちからなる団体らしい。食物アレルギー対応のおやつレシピの考案と発信をしているそうだ。
次ページには食物アレルギーに関する解説があった。興味深かったのは、「食物アレルギーを持つ人の増加」と「木の実類」だ。
花粉症の人が増えているのは知っていたが、食物アレルギーを持つ人も増えていたとは驚きである。食物アレルギーに対応したレシピを考案し広めることは、多様性に満ち溢れた現代での配慮というより、現実問題に対処するための重要な活動なのだろう。
木の実類のアレルギー。知らなかった。卵や牛乳、小麦などは有名だが、木の実とは何を指すのだろう。調べたらピーナッツとナッツだそうだ。
12種類のレシピたち
冊子には全部で12種類のレシピが載っていた。各レシピごとに1ページ使い、写真付きでわかりやすい手順も書いてある。詳しくはキャンパスで探すか、おやつ工房PAKKUN様に問い合わせてみてほしい。
今回は興味を持った2つを紹介したい。
フロランタン
料理名を見て、風呂場でランタンを持った不審者を想像した私をどうか許してほしい。だって知らないおやつなんだもの。
調べたところ、フロランタンとはフランスの菓子らしい。クッキー生地とナッツ類の焼き菓子だそうだ。
素人ながら通常のフロランタンのレシピと比べて考えてみた。「バター」「溶き卵」「生クリーム」といった材料の使用を回避したのだろうか。
余談:アーモンド
アーモンドアレルギーは食品表示が推奨されているが、義務ではないらしい。かつ特定原材料等に指定されたばかり(令和元年~)なので、古い調味料などは注意が必要だそうだ。結構聞くアレルゲンなのに、まだまだ対応されていないのね。
米粉パン
炊飯器という身近な調理器具を提案してくれるあたり、食健康学科の学生の苦労と工夫が見える。このレシピを知っていれば、私の親ももっとパンを食べられたのだろうか。
終わりに
悲しいことに、料理のセンスがかけらもない私は湯を沸かすのが精一杯だ。
しかしもしこうした料理を食べて、「美味しい!」と思った後に「実はこういうレシピで…」と種明かしされれば、もっと世間に広まればいいなと思うだろう。
食健康学科でない人も、食物アレルギーのない人も、”美味しいおやつ作り”としてこのレシピ本を手にとってはいかがだろうか。