大学生ユードリナの記録【長野県立大学】

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就活市場では超有利?大学生で営業職バイトで稼ぐ、という選択肢【家庭教師営業体験記①】

私は家庭教師の営業をしたことがあります。期間は大学2年生の3月から3年生の11月まで、約9か月間。

この体験は私の就活や人生において非常に大きな意味がありました。良いことも大変なこともありましたが、1つだけたしかなのは「就活で大きくプラスに働いた」ということです。

そこで、家庭教師の営業を通じて学んだ事を記事にしてみようと思いました。文字にすることで自分自身に得られた学びを定着させようという意図もあります。

 

 

家庭教師の営業になった経緯

家庭教師の営業になったきっかけは、事務所からの勧誘です。

もともと2年生の夏から家庭教師の先生として働いていました。ある日家庭教師の管理をしている事務所から電話が来て、「営業をやってみる気はないか?研修で話した時あってると思った」と誘われました。当時就活はしていませんでしたが営業職に興味があったため、二つ返事で了承した、という経緯です。

家庭教師の営業は何をするのか?

家庭教師の営業といっても、ほとんどの人は一体何をするのか?と思うでしょう。実際に私が働いていた時の業務内容は次のようなものでした。

営業活動

当然ながら営業をするわけですが、営業にもいろいろあります。会社にもよるでしょうが、私はテレアポ・ご家庭への訪問営業・契約書作成・派遣する先生の選定を行っていました。つまり、アポイント~先生の派遣まで、営業活動の頭からお尻まで行っていました。

 

テレアポは言葉そのまま、電話を使ってアポイントを取る事です。名簿を入手して手当たり次第にかけるスタイルではありませんでした。子どもに習い事をさせたい、と思っている保護者から比較サイトやホームページを通じて資料請求が来ます。すると事務所に「資料請求が〇〇県の△△さんからきてます、電話番号は000-0000-0000」とメールがくるわけです。これを参照して電話をかけ、なんとかアポをとっていきます。

 

ご家庭への訪問営業とは、一軒一軒インターホンを押すわけではなく、事前にアポをとったご家庭へ伺い営業することです。ご家庭のリビング等で保護者の方とお子さんと対面し、お子さんに”体験授業”というていで勉強を教えます。その後保護者の方に金額や契約書の説明をし、即決での成約を目指します。

 

事務作業

営業として働きつつ、事務作業も行っていました。例えば先生への資料送付や日報の作成、ご家庭への指導状況のヒアリングなどです。

時折ご家庭から「子どもの学力が上がっていない」「先生に連絡がつかず指導に来ない」などのクレームや、家庭教師の先生から「指導に自信がない」「お子さんとコミュニケーションが取れない」といった相談の電話がきます。これらに上手く対応し、せっかく契約したご家庭&指導に行っている先生が飛ばないようにするのも業務です。

 

勧誘活動

事務員や営業の勧誘も時折行っていました。私の働いていた企業は大手ではありませんが、関西や東海などへも展開している企業でした。私の属していた北陸地区は、『長野事務所』事務員一人、『金沢事務所』事務員一人と営業二人、以上。この4人で長野県、山梨県、石川県、福井県富山県、北海道を管轄していたのです。

素人目に見ても、まあそりゃあ事務員や営業を増やした方がよいでしょうね、という状況だったのです。ちなみにこの4人の上司たちは正社員ですが、私や私が勧誘した人たちはバイト扱い(契約内容は業務委託)でした。

 

対面研修、オンライン研修

いきなり営業しろ、と言われてもどだい無理な話なので、研修がありました。といっても月に1.2回、直属の上司がいる金沢事務所に呼ばれたりzoomでつないだりしたくらいでしたが。

一番最初はA4用紙30枚ほどに両面印刷されたマニュアルを完璧に暗記することから始まりました。それを渡されたとき血の気が引いたのを今でも覚えています。

その後は上司とのロープレ(ロールプレイング。相手に保護者や子ども役になってもらい営業する)や電話対応の仕方、営業前の雑談の仕方、クロージングのかけかたなどを教わりました。ぶっちゃけ「新人教育のやり方」なんて大層なものは無かったので、上司の気分で指導されました。ですから上司の指摘する内容は研修ごとにコロコロ変わりましたし、人格否定は日常茶飯事でした。

 

家庭教師の先生対応

家庭教師の営業にとって、”お客さん”は2種類います。子どものいる家庭と、家庭教師の先生です。この両者をつなぐことがこの仕事のビジネスモデルなのです。

家庭教師の先生はホームページや求人サイトから登録してきます。登録された個人情報をデータベースに入力したり、紹介できる案件を電話で伝えたりしなければなりません。特に、案件を紹介する際には「移動時間は何分か」「移動手段は何になるか」「冬場や夜の移動に危険はないか」「家庭からの先生に関する要望に合致しているか」などを検討してから電話をかけます。そこまでして先生に電話しても、30回のうち29回は不在着信になるか指導を断られるか、といった感覚です。

 

家庭教師の営業は稼げるのか?

営業に興味をもつ、世の中の大学生が気になる部分でしょうか。

結論から言えば「場合による」となります。私の場合、最も稼げたのは繁忙期である7月、収入が約14万円でした。勤務時間のほとんどは事務所で座っての作業と思えば、稼げた方なのでしょうか?

ですが、ここでいくつかの事実をお伝えしなければなりません。

  • 週に最低5日は出勤するように、と上司から言われていた。私の場合平日17時~22時が三日、土日は13時~22時の勤務。
  • 営業中は時給が付かない。契約が取れれば時給1500円分くらいにはなるが、未契約ならば収入ゼロ。
  • 事務作業中の時給は最低賃金以下。業務委託なので最低賃金の制限は無関係。
  • 営業や日報作成のために残業しても残業代はつかない。業務委託なので残業代の支払い義務はない。
  • 営業や電話対応でヘマをしたり、上司に嫌われると突然クビになる可能性がある。業務委託なので以下略。
  • 営業の案件がまわってくるかどうかは、上司の采配次第。近場なのに上司が営業することになったり、数週間案件がまわってこなかったり・・・

 

どうでしょうか?ブラック中のブラックな勤務環境に苦笑いできるなら、家庭教師の営業に挑戦してみるのもアリかもしれませんね。

 

終わりに

9か月という短い期間しか働きませんでしたが、そこで得た学びは非常に多くありました。それに、私の後から営業になった学生たちを20人近く見てきましたが、19人は2週間で辞めていきました。残る一人も半年で辞めました。上記のブラック環境と超絶ド級パワハラ上司が原因です。そんな環境で9か月耐えた、という自負を抱えて、営業体験記を書いていく予定です。